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ご家族のためのガイド

大切な人を支えるあなたへ

ご家族の精神疾患を支えることは、とても大変なことです。このページでは、疾患ごとの接し方のポイントと、ご家族自身のケアについてまとめました。

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はじめに

大切な方がうつ病と診断されて、戸惑いや不安を感じていらっしゃるかもしれません。うつ病は脳のエネルギーが低下した状態です。「怠け」ではありません。回復には時間がかかりますが、必ず良くなります。

理解のポイント

うつ病は「気の持ちよう」では治らない脳の病気です
回復は一直線ではなく、良くなったり悪くなったりを繰り返します
本人も「こんな自分が申し訳ない」と感じていることが多いです

こんな言葉がけは OK / NG

✅ 伝わりやすい言葉
「つらいね。話してくれてありがとう」 → 気持ちを受け止める
「無理しなくていいよ」 → 休むことへの許可
「そばにいるよ」 → 孤独感を和らげる
「回復のペースは人それぞれだよ」 → 焦りを和らげる
「何か手伝えることある?」 → 具体的なサポートの提案
❌ 避けたい言葉
「がんばれ」 → すでにがんばっている本人を追い詰める。代わりに「がんばらなくていいよ」
「気持ちの問題でしょ」 → 病気を否定することに。代わりに「つらいんだね」
「いつ治るの?」 → プレッシャーになる。代わりに「焦らなくていいよ」
「○○さんはもっと大変だよ」 → 比較は苦しめる。代わりに「あなたのつらさはあなたのもの」
「前はできてたのに」 → 自己嫌悪を強める。代わりに「今は休む時期だよ」

日常の接し方のコツ

1 生活リズムを一緒に整える(無理のない範囲で)
2 本人のペースに合わせる(急かさない)
3 「死にたい」と言われたら、否定せず「そう思うくらいつらいんだね」と受け止め、主治医に報告する
4 小さな変化を一緒に喜ぶ

家族自身のセルフケア

支える側も疲れます。それは当然のことです。

  • 自分の時間を必ず確保する
  • 家族会や相談窓口を利用する
  • 「支える自分」も大切にする

がんばりすぎないでください。あなたが倒れてしまっては、支えることもできなくなります 🌸

相談窓口

🏥 主治医に家族の困りごとも相談する
📞 精神保健福祉センター(各都道府県に設置)
🤝 うつ病の家族会(全国精神保健福祉会連合会:みんなねっと)

はじめに

双極性障害は、気分の波が大きくなる病気です。躁状態とうつ状態を繰り返すため、ご家族も振り回されて疲弊されることが多いです。病気を正しく理解することが、支える第一歩です。

理解のポイント

躁状態のときの言動は「本人の性格」ではなく「病気の症状」です
本人は躁状態を自覚しにくい(「調子が良い」と感じている)
服薬の継続がとても大切

こんな言葉がけは OK / NG

✅ 伝わりやすい言葉
「最近ちょっと調子が変わってきたみたい。一緒に先生に相談しない?」 → 気分の変化を客観的に伝える
「薬のおかげで安定してるね」 → 服薬の継続を肯定
「大きな決断は少し待ってからにしない?」 → 躁状態の衝動的行動を穏やかにブレーキ
「つらい時期もあるけど、また安定するよ」 → 波があることを認めつつ希望を
❌ 避けたい言葉
「また躁になってる」 → 責めるように聞こえる。代わりに「調子はどう?」と穏やかに
「薬なんかやめたら?」 → 再発リスクが高まる。服薬は医師と相談
「この前は元気だったのに」 → 波があるのが病気。比較しない
「迷惑かけないで」 → 本人も苦しんでいる。代わりに「困ったことがあったら言ってね」

日常の接し方のコツ

1 気分の変化の「サイン」を家族も知っておく(睡眠時間の変化、お金の使い方など)
2 サインに気づいたら、責めずに「先生に連絡しようか」と提案
3 躁状態でのお金の管理(カードの限度額設定など)をあらかじめ相談
4 うつ期は焦らず見守る
5 「注意サインリスト」を一緒に作っておく

家族自身のセルフケア

支える側も疲れます。それは当然のことです。

  • 躁状態の言動を個人的に受け取りすぎない
  • 自分だけの時間・空間を確保する
  • 家族会で同じ立場の方と話す
  • 困ったら専門家に相談する

がんばりすぎないでください 🌸

相談窓口

🏥 主治医に家族の困りごとも相談する
📞 精神保健福祉センター(各都道府県に設置)
🤝 双極性障害の家族会(全国精神保健福祉会連合会:みんなねっと)

はじめに

統合失調症は、脳の情報処理に混乱が生じる病気です。幻聴や妄想は本人にとってはリアルな体験です。正しい理解と適切な距離感が、支える上で大切になります。

理解のポイント

幻聴や妄想は「演技」ではなく、脳の機能障害による症状です
感情表現が乏しく見えても、感情がないわけではありません
薬物療法の継続と、ストレスの少ない環境が回復の鍵です

こんな言葉がけは OK / NG

✅ 伝わりやすい言葉
「怖い思いをしているんだね」 → 本人の体験を否定せず受け止める
「困ったことがあったら教えてね」 → 安心感を与える
「今日は○○してくれてありがとう」 → 小さなことでも認める
「焦らなくていいよ、少しずつで大丈夫」 → 回復のペースを尊重
❌ 避けたい言葉
「そんなの気のせいだよ」 → 幻聴・妄想を否定すると信頼関係が壊れる。否定も肯定もせず「つらそうだね」
「しっかりしなさい」 → 病気でできないことを責めてしまう
「薬飲んでるのになんで治らないの」 → 慢性疾患であることを理解する
「普通に生活してよ」 → 高すぎる期待はプレッシャーに

日常の接し方のコツ

1 静かで安定した環境を保つ
2 指示は短く、具体的に(一度に多くのことを言わない)
3 感情的に巻き込まれすぎない(高EE=高感情表出に注意)
4 本人のペースを尊重し、社会参加を焦らない
5 服薬中断のサインに注意する

家族自身のセルフケア

支える側も疲れます。それは当然のことです。

  • 自分の生活リズムを崩さない
  • 一人で抱え込まず相談する
  • 家族会で経験を共有する
  • 罪悪感を手放す(あなたのせいではありません)

がんばりすぎないでください 🌸

相談窓口

🏥 主治医に家族の困りごとも相談する
📞 精神保健福祉センター(各都道府県に設置)
🤝 全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)/ 各地域の家族会

はじめに

不安障害の方は、他の人から見ると「なぜそんなに怖がるの?」と思えることにも強い不安を感じます。「心配性」とは違う、脳の警報システムが過敏になっている状態です。

理解のポイント

不安は「意志の力」ではコントロールできません
回避行動(怖い場面を避ける)は一時的に安心しますが、長期的には不安を強めます
家族が「配慮しすぎる」ことが、かえって回避を助長することも

こんな言葉がけは OK / NG

✅ 伝わりやすい言葉
「不安なんだね。それは本当につらいよね」 → まず受け止める
「少しずつ慣れていけばいいよ」 → 焦らせない
「一緒にやってみようか?」 → チャレンジを見守りサポート
「大丈夫だよ、でも無理しないでね」 → 安心感 + 無理強いしない
❌ 避けたい言葉
「そんなこと気にしすぎ」 → 不安を軽視される辛さ
「みんな普通にやってるよ」 → 比較はプレッシャーに
「また行けなかったの?」 → 責めると回避が強まる
何でも代わりにやってあげる → 「過保護」は回避を強化。適度に見守る

日常の接し方のコツ

1 不安を「ゼロにする」ではなく「つきあい方を学ぶ」目標を共有
2 少しでもチャレンジできたことを具体的にほめる
3 パニック発作が起きたら、落ち着いてそばにいる(「大丈夫、必ず収まるよ」)
4 家族が先回りして配慮しすぎない(本人の成長の機会を奪わない)

家族自身のセルフケア

支える側も疲れます。それは当然のことです。

  • 本人の不安に巻き込まれすぎない境界線を持つ
  • 自分の楽しみや趣味を大切にする
  • 「完璧に支えなくていい」と自分に許可を出す
  • 必要なら自分もカウンセリングを受ける

がんばりすぎないでください 🌸

相談窓口

🏥 主治医に家族の困りごとも相談する
📞 精神保健福祉センター(各都道府県に設置)
🤝 全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)

はじめに

ADHD・ASDは発達の特性であり、育て方の問題ではありません。「怠けている」「わがまま」ではなく、脳の情報処理の仕方が異なるのです。特性を理解し、環境を調整することで、本人も家族もラクになります。

理解のポイント

ADHDの「忘れっぽさ」「落ち着きのなさ」は脳の特性であり、「やる気の問題」ではない
ASDの「こだわり」「コミュニケーションの独特さ」は安心のための仕組み
叱り続けると自己肯定感が下がり、二次障害(うつ、不登校)のリスクが高まる

こんな言葉がけは OK / NG

✅ 伝わりやすい言葉
「○○できたね!すごいね」 → できたことに注目(60%ルール:6割できたらOK)
「どうしたら忘れにくくなるか、一緒に考えよう」 → 責めるのでなく仕組みづくり
「○○が得意だよね」 → 強みにフォーカス
「今から△△をするよ。その後に○○しようね」 → 見通しを伝える(ASD)
「疲れたら休んでいいよ」 → 感覚過敏への配慮(ASD)
❌ 避けたい言葉
「何回言ったらわかるの」 → 何回言われてもできないのが特性。仕組みで解決
「普通にして」 → 「普通」が難しい。具体的に伝える
「なんでじっとできないの」 → ADHDの脳にとってじっとすることは苦行
「空気を読みなさい」 → ASDにとって暗黙のルールは見えない。明文化する

日常の接し方のコツ

1 視覚的な手がかりを使う(チェックリスト、タイマー、スケジュール表)
2 環境を調整する(気が散るものを減らす、静かなスペースの確保)
3 できたことをこまめにほめる(具体的に)
4 ルーティンを作る(予定変更は早めに予告)
5 比較しない(「お兄ちゃんはできるのに」は禁句)

家族自身のセルフケア

支える側も疲れます。それは当然のことです。

  • 「育て方のせい」と自分を責めない
  • ペアレント・トレーニングに参加してみる
  • 家族だけで頑張らず支援機関を利用する
  • 自分の時間をつくる工夫をする

がんばりすぎないでください 🌸

相談窓口

🏥 主治医に家族の困りごとも相談する
📞 発達障害者支援センター(各都道府県に設置)
🤝 親の会・家族会(日本発達障害ネットワーク等)

はじめに

思春期はこころも体も大きく変化する時期です。イライラ、引きこもり、反抗的な態度——「思春期だから」と見過ごしがちですが、こころのSOSが隠れていることもあります。

理解のポイント

思春期の脳は「感情のアクセル」が先に発達し、「ブレーキ」(前頭前野)は25歳頃まで発達途中
不登校、自傷、過食・拒食、昼夜逆転は「怠け」ではなくSOSのサインかも
親に反抗しながらも、「見守ってくれている」安心感は必要

こんな言葉がけは OK / NG

✅ 伝わりやすい言葉
「最近どう?」 → 日常的に声をかける(深刻な質問より軽い声かけ)
「話したくなったらいつでも聞くよ」 → 強制しないが扉は開けておく
「つらかったね」 → まず共感
「あなたのことが大切だよ」 → シンプルに伝える
「一緒に○○しない?」 → 共通体験を通じたコミュニケーション
❌ 避けたい言葉
「そのくらいで弱いね」 → 感情を否定される体験は信頼を壊す
「勉強しなさい」(タイミングを選ぶ) → 追い詰められているときは逆効果
「お父さん/お母さんの若い頃は...」 → 時代が違う比較は響かない
「なんでも話して」と詰め寄る → プレッシャーに。待つ姿勢が大切

日常の接し方のコツ

1 雑談を大切にする(「今日の給食何だった?」レベルでOK)
2 「異変のサイン」を知っておく(不眠、食欲変化、表情の変化、SNSの変化)
3 家庭を「安全基地」にする(叱るべき時は叱るが、人格否定はしない)
4 必要なら専門家に相談するハードルを下げる(「相談=おおごと」ではない)
5 自傷行為に気づいたら、驚いて叱らず、まず「つらかったね」と受け止め、必ず専門家に相談

家族自身のセルフケア

支える側も疲れます。それは当然のことです。

  • 思春期の反抗を「個人攻撃」と受け取りすぎない
  • 保護者同士のつながりをもつ
  • スクールカウンセラーに気軽に相談する
  • 「完璧な親」でなくていい

がんばりすぎないでください 🌸

相談窓口

🏥 小児科・児童精神科の主治医に相談
🏫 スクールカウンセラー・養護教諭
📞 児童相談所全国共通ダイヤル:189(いちはやく)
📞 精神保健福祉センター(各都道府県に設置)

はじめに

認知症は、脳の病気によって記憶力や判断力が低下していく状態です。ご本人が「わざとやっている」わけではありません。認知症の介護は長期にわたることが多く、ご家族の負担は想像以上に大きいものです。ひとりで抱え込まないでください。

理解のポイント

「忘れる」のではなく、脳の病気で「記憶を留めておけない」状態です
ご本人も不安や混乱の中にいます。怒っているように見えても、困っていることが多い
できないことが増えても、感情や「大切にされている」という感覚は最後まで残ります
症状は日によって波があります。「昨日はできたのに」と責めないで

こんな接し方は OK / NG

✅ 安心につながる接し方
「大丈夫ですよ、一緒にやりましょう」 → 安心感を与え、さりげなくサポート
「おいしいですね」と一緒に食事を楽しむ → 今この瞬間を共有する
「ありがとう」「助かるよ」 → 役割を持てることが自尊心を守る
穏やかな声と笑顔で話しかける → 言葉の内容より、声のトーンや表情が伝わる
❌ 避けたい接し方
「さっき言ったでしょ!」 → 覚えていないことを責めると混乱と不安が増す
「なんでできないの?」 → できないのは病気のせい。叱っても改善しない
間違いを正そうとする → 訂正よりも、ご本人の世界に寄り添う方が穏やかに過ごせる
行動を無理に制止する → 理由を探り、気をそらす方が効果的

日常の接し方のコツ

1 短い文で、ゆっくり、目を合わせて話す
2 選択肢は2つまでに絞る(「お茶とジュース、どっちがいい?」)
3 できることは時間がかかっても見守る。「待つ」ことが最大の支援
4 生活リズムを一定に保つ(起床・食事・就寝の時間)
5 昔の写真や好きだった音楽を活用する(長期記憶は比較的保たれる)
6 徘徊・興奮には原因がある。「寒い」「トイレ」「不安」など探ってみる

家族自身のセルフケア

認知症の介護は、終わりが見えにくく、心身ともに消耗します。介護者が倒れてしまっては元も子もありません。

  • 介護保険サービスを最大限に活用する(デイサービス、ショートステイ)
  • 「自分の時間」を意識的につくる
  • 認知症カフェや家族会で同じ立場の人とつながる
  • イライラしたり、つい怒鳴ってしまうのは自然なこと。自分を責めないで
  • 介護うつは珍しくない。つらいときは早めに相談を

あなたは十分がんばっています 🍀

相談窓口

🏥 かかりつけ医・認知症疾患医療センター
📞 地域包括支援センター(お住まいの地域の相談窓口)
📞 認知症の人と家族の会:0120-294-456
🤝 認知症カフェ(全国に設置、気軽に参加できます)
📖 認知症の介護ガイド(詳しくはこちら)

🌸 ご家族へのメッセージ

支えるあなた自身も、大切な存在です。

完璧な家族でなくていい。そばにいるだけで、それは大きな支えです。

がんばりすぎないでください。あなたが元気でいることが、ご本人にとっても一番の安心です。🌸

つらいときは、遠慮なく助けを求めてください。

相談窓口(全カテゴリ共通)

🏥
主治医にご家族の困りごとも相談できます
📞
精神保健福祉センター
各都道府県に設置 — こころの相談全般
📞
よりそいホットライン
0120-279-338(24時間対応)
🤝
家族会に参加する
同じ立場の方と話すことで気持ちが軽くなります。全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)
📚 参考資料