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統合失調症を知ろう
いちばん大切な3つのこと
1 100人に1人がかかる、珍しくない脳の病気です
世界中どの文化でも同じ割合。特別なことではありません。
2 お薬を続けることで、多くの方が安定した生活を送れます
お薬は脳のドーパミンのバランスを整えます。自分の判断でやめないことが回復のカギです。
3 「回復」は人それぞれ。あなたらしい生活を目指しましょう
症状がゼロになることだけが回復ではありません。自分のペースで、自分の生活を取り戻していくプロセスです。
💬 先生からのひとこと
「統合失調症は治療ができる病気です。お薬と、あなたを支える人たちと一緒に、あなたらしい生活を作っていきましょう。」
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統合失調症ってなに?

統合失調症は、脳の情報処理がうまくいかなくなる病気です。

見たこと・聞いたこと・考えたことを整理する脳の働きに不調が起きるため、現実との区別がつきにくくなったり、意欲が出にくくなったりします。

約100人に1人がかかる病気です。
10代後半〜30代の発症が多く、世界中どの文化でもほぼ同じ割合で見られます。
あなただけが特別なわけではありません。
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脳のなかで起きていること

脳では「ドーパミン」という物質が情報を伝えています。統合失調症では、このドーパミンのバランスが崩れています。

中脳辺縁系
(感情・知覚)
多すぎる
→ 幻聴・妄想
健康な状態
ちょうどよい
前頭前野
(思考・意欲)
少ない
→ 意欲低下

お薬は、この多すぎるドーパミンを調整することで症状を和らげます。

👂
陽性症状ってなに?

本来ないはずのものが「足される」症状です。脳がドーパミンを出しすぎることで起こります。

👂
幻聴
実際にはない声が聞こえる。批判や命令の声が多い
💭
妄想
根拠のない考えが確信になる。「見張られている」など
🗣️
思考の混乱
話がまとまらない、考えがバラバラになる
興奮
落ち着かない、じっとしていられない
お薬が最も効きやすい症状です。治療によって多くの方が改善します。
🌫️
陰性症状ってなに?

本来あるはずのものが「引かれる」症状です。前頭前野のドーパミンが不足することで起こります。

😶
感情の平板化
喜怒哀楽の表現が乏しくなる
🛋️
意欲の低下
やる気が出ない、何をする気にもなれない
🚪
引きこもり
人と関わることが億劫になる
💬
会話の減少
話す量が減る、返答が短くなる
「怠けている」のではなく、脳の症状です。周囲の理解がとても大切です。
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認知機能の症状

見えにくいけれど、日常生活への影響が大きい症状です。

🎯
集中力が続かない 本を読む、テレビを見るなどが途中で難しくなる
📋
段取りが苦手になる 料理の手順や、やることの優先順位がつけにくい
🔍
記憶があいまいになる さっき聞いたことを忘れる、約束を思い出せない
🤔
判断に時間がかかる 選択肢があると迷いやすくなる
リハビリやデイケアでのトレーニングで少しずつ改善できます。工夫次第で日常生活の困りごとを減らせます。
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時期による変化

統合失調症の経過は、大きく3つの時期に分けられます。

🔴 急性期
幻聴や妄想が強く出る時期。入院が必要になることも。お薬で症状を抑えることが最優先です。
🟡 回復期
症状が落ち着いてくる時期。眠気や疲れが出やすく、無理は禁物。ゆっくり休みながら、少しずつ活動を増やします。
🟢 安定期
症状がコントロールできている時期。社会復帰の準備や、自分らしい生活づくりを進めていきます。お薬は続けることが大切です。
どの時期にいても大丈夫。焦らず、今の段階に合った過ごし方を一緒に考えましょう。
💊
治療のしくみ:お薬

抗精神病薬は、脳のドーパミンのバランスを調整するお薬です。

統合失調症の治療で最も大切な柱です。

💊
飲み薬
毎日決まった時間に服用。いちばん一般的な方法です
💉
LAI(持効性注射)
2週〜月1回の注射。飲み忘れの心配がありません

第2世代(非定型)抗精神病薬が現在の主流です。陽性症状だけでなく、陰性症状にも効果が期待できるものがあります。

お薬の種類や量は、一人ひとりに合わせて主治医が調整します。気になることは遠慮なく相談してください。
🔑
お薬を続けることの大切さ

「調子がいいから」と自分の判断でお薬をやめると、再発のリスクが大きく上がります。

約80%
お薬をやめた
場合の再発率
約30%
お薬を続けた
場合の再発率

再発を繰り返すと、回復に時間がかかるようになることがあります。

「調子がいいのはお薬が効いているから」と考えてください。やめたいと思ったら、まず主治医に相談しましょう。
⚖️
お薬の副作用と対処

副作用が出ることがありますが、主治医に伝えれば対処できます。我慢しないでください。

副作用 対処法
😴 眠気 服用時間の変更、お薬の種類の見直し
⚖️ 体重増加 食事・運動の工夫、お薬の調整
🤲 手の震え 副作用止めの追加、お薬の変更
😐 表情が乏しい お薬の量の調整
🚶 そわそわする アカシジア対策のお薬を追加
「副作用がつらい」は大切な情報です。主治医に伝えることで、より自分に合ったお薬を見つけられます。
🤝
お薬以外の支え

お薬と組み合わせることで、回復をさらに後押しする支援があります。

🏠
デイケア
生活リズムを整え、仲間と過ごす場所
👥
SST
対人関係のスキルを練習するプログラム
💼
就労支援(IPS)
働きたい気持ちをサポートする個別支援
🧠
認知リハビリ
注意力・記憶力を鍛えるトレーニング
利用できる支援は地域によって異なります。主治医やソーシャルワーカーに相談してみましょう。
🌿
日常生活のヒント

毎日のちょっとした工夫が、安定した生活の土台になります。

生活リズムを整える 起きる時間・寝る時間をだいたい同じにする。朝の光を浴びる。
🧘
ストレスとの付き合い方 無理をしない。疲れたら休む。自分なりのリラックス法を見つける。
⚠️
再発サインに気づく 眠れない、イライラする、疑い深くなる ── 早めに主治医へ相談。
🚭
お酒・カフェインを控える アルコールやカフェインの取りすぎは、症状を悪化させることがあります。
🌈
「リカバリー」という考え方

リカバリーとは、症状をゼロにすることではありません。自分らしい生活を取り戻していくプロセスです。

🤝
つながり
支えてくれる人がいること。孤立しないこと。
希望
「良くなれる」と信じられること。小さな目標を持つこと。
🪞
アイデンティティ
「病気」ではなく「自分」として生きること。
🎯
意味
自分の生活に意味や役割を見つけること。
リカバリーのペースは人それぞれです。他の人と比べなくて大丈夫。あなたのペースで進みましょう。
👥
ご家族へ

ご家族の関わり方は、回復にとても大きな影響があります。

陰性症状(意欲が出ない、引きこもる)は「怠け」ではなく脳の症状です。批判や過度な心配よりも、穏やかな見守りが回復を助けます。

「無理しなくていいよ」
本人のペースを尊重する言葉。安心感を与えます。
「困ったら言ってね」
見守りながらも、いつでも頼れることを伝えます。
「いつまでゴロゴロしてるの」
怠けではなく症状です。責めると悪化することがあります。
「あなたのために言ってるの」
善意でも圧力になることがあります。距離感が大切です。
ご家族自身も疲れてしまうことがあります。家族会や相談窓口を活用して、ご自身のケアも大切にしてください。
🌸
まとめ

もう一度、いちばん大切な3つのことを確認しましょう。

1 100人に1人がかかる、珍しくない脳の病気です
2 お薬を続けることで、多くの方が安定した生活を送れます
3 「回復」は人それぞれ。あなたらしい生活を目指しましょう
💬 先生からのひとこと
「ここまで読んでくださり、ありがとうございます。わからないことや気になることは、いつでも聞いてくださいね。」