〜 あなたは悪くありません 〜
パートナーからの暴力——「自分が悪いのかもしれない」「我慢すればいい」「子どものために離れられない」。そう思っていませんか。暴力を受けているのは、あなたのせいではありません。このページでは、DV(ドメスティック・バイオレンス)について知り、安全を守るための情報をお伝えします。
配偶者やパートナーからの暴力を「DV(ドメスティック・バイオレンス)」と呼びます。殴る・蹴るだけがDVではありません。
殴る、蹴る、物を投げる、首を絞める、髪を引っ張る、押し倒す
無視する、人格を否定する、大声で怒鳴る、「お前はダメだ」と繰り返す、脅す
生活費を渡さない、働かせない、収入を取り上げる、お金の使い方を細かく管理する
同意のない性行為を強いる、避妊に協力しない、性的な画像で脅す
友人や家族と会うことを制限する、外出や行動を監視・制限する、孤立させる
スマホの中身を勝手にチェックする、SNSの利用を制限する、GPSで居場所を追跡する
DVには典型的なサイクルがあります。爆発期(暴力がふるわれる)→ ハネムーン期(優しくなる、謝る、「もうしない」と約束する)→ 緊張蓄積期(ピリピリした空気が続く)→ そして再び爆発へ。
「優しい時期があるからDVではない」——これは間違いです。優しい時期があるからこそ、離れがたくなる。それがDVの特徴です。
当てはまるものがないか、確認してみてください。
このチェックリストは診断ではありません。ご自身の状況を整理するためのきっかけとしてお使いください。
共依存とは、相手の問題(暴力・依存症など)に巻き込まれながら、「自分がいなければこの人はダメになる」「自分が支えなければ」と感じて離れられなくなる状態です。相手の世話をすることに自分の存在意義を見出してしまい、結果として暴力的な関係が続いてしまいます。
共依存状態では、相手を助けているつもりが、実は暴力を続けやすい環境を作ってしまっていることがあります。あなたが我慢し続けることで、相手は「このままでいい」と感じてしまいます。相手が変わるかどうかは、相手自身の問題です。あなたが犠牲になることで相手が変わることはありません。
イネイブラーとは、相手の問題行動を無意識に「可能にしてしまう人」のことです。たとえば——
これらはすべて「尻拭い」です。あなたが後始末をするたびに、相手は自分の行動の結果と向き合わずに済んでしまいます。その結果、「暴力をふるっても大丈夫」という学習が強化され、暴力はエスカレートしていきます。
相手の問題の後始末をしないこと、かばわないことは、冷たさではありません。相手が自分自身の行動に責任を持つ機会を与えることです。
「この人を見捨てるわけにはいかない」「私が離れたらこの人はどうなるの」——その気持ちはわかります。でも、考えてみてください。相手の人生に責任を持てるのは、相手自身だけです。
あなたがどれだけ尽くしても、相手が変わる保証はありません。むしろ、あなたがそばにい続けることで、相手が「このままでいい」と感じてしまうこともあります。
関係を終わらせることは、「見捨てる」ことではありません。それは、自分の安全と人生を守る決断であり、同時に相手が自分自身と向き合うきっかけにもなり得ます。「離れる」という選択肢を持っておくこと自体が、あなたの心の支えになります。
「この人がかわいそう」「私がいなくなったら……」と感じるとき、それは相手への過度な責任感です。あなたは、あなた自身の人生に責任を持つだけで十分です。
相手のために自分を犠牲にし続けることは「愛」ではありません。あなた自身が安全で健康であることが、何よりも大切です。「この人を見捨てられない」と感じるとき、それは愛情ではなく共依存のサインかもしれません。
今すぐ離れられなくても、「いざというときの備え」をしておくことが、あなたの安全を守ります。
DV相談窓口のシェルター、信頼できる親族や友人の家。複数の候補を考えておくと安心です。
身分証明書のコピー、現金、着替え、常備薬、保険証、通帳のコピー。お子さんがいる場合は、子どもの必需品も。相手に見つからない場所に保管しましょう。
ケガの写真(日付入り)、暴言の録音、日記(日時・内容を記録)、医療機関の診断書。これらは保護命令の申立てや法的手続きで重要な証拠になります。
DV相談ナビ #8008、DV相談プラス 0120-279-889。紙のメモを靴の中や下着の間に隠す方法もあります。
信頼できる人に「助けて」のサインを伝えておきましょう。特定の言葉やメッセージで「今危険」と伝える方法を決めておくと、緊急時に助けを求めやすくなります。
学校や保育園への事前連絡、母子手帳、保険証、子どもの薬や必需品の確認。子どもの安全も含めた避難計画を立てておきましょう。
セーフティプランの準備は、相手に絶対に知られないように行ってください。スマホの検索履歴やブラウザの履歴もこまめに消しましょう。このページを見た後も、履歴の削除をおすすめします。
誰にも言えなかったこと、一人で抱えてきたこと。当院の診察室はあなたが安心して話せる場所です。話したくないことは話さなくて大丈夫。あなたのペースで進めます。
長期間の暴力は、心に深い傷を残します。PTSD(心的外傷後ストレス障害)、うつ、不安障害、不眠——これらの症状に対して、お薬の処方や治療を行います。
保護命令の申立てや離婚調停など、法的手続きに必要な診断書を作成します。ケガの記録や精神的な影響の記録は、あなたの安全を守るための大切な証拠になります。
「どうすればいいかわからない」——そんな状態を、一緒に整理します。今の状況を客観的に見つめ直し、あなたにとって安全な選択肢を一緒に考えます。
必要に応じて、DV問題に詳しい弁護士、シェルター、行政の支援窓口などの情報をお伝えします。一人で全部調べなくても大丈夫です。